スマホ1台あれば仕事が出来る時代、独立の敷居は低下。
2017年に閣議決定された「働き方改革実行計画」により、テレワークや副業・兼業などの柔軟な働き方の実現が目標になり、2020年9月の「副業・兼業の促進に関するガイドライン」の改定では、副業・兼業時の労働時間の管理や健康管理についてのルールが明確化。各メディアでは、「副業解禁」や「業務委託契約化」「週休3日制」などの話題が続々と取り上げられている通り、大企業が抱えていた人材も、市場で急増しています。
コロナをきっかけに、フリーランス協会(※)が行ったアンケートでは66%が副業を検討。
コロナ前の2.5倍の人がフリーランスになることを検討しています。
※フリーランス協会は、「誰もが自律的なキャリアを築ける世の中へ」を掲げて、活動する、非営利団体。設立から5年を経て日本最大級のフリーランス・副業ワーカーのネットワークとなり、4月1日現在、フォロワー総数は約50,000人。有料会員は約7,000人。
個人側の副業・兼業をしたい意向が高まっている今、この活用に舵を切ることは、何かしらの分野で知見を持った人材の力を取り込みたい企業側にとっては、非常に有効な手段になっています。一方で、まだその活用に二の足を踏む企業が多いことが実情です。
フリーランス協会でも、先日、外部人材受け入れを促進する自治体から「6社の企業が案件を出したところ、30名の応募があった。受け入れる企業側が足りないがどうしたらよいか。」というリアルなご相談が入ってきました。
今日は、このチャンスの時期に「社員採用」以外に、外部人材(副業・兼業・フリーランス)の力を活用する選択肢もご検討いただけるよう、外部人材活用に関する基礎的な情報をお届けします。
- 外部人材(副業・兼業・フリーランス)とは
- 外部人材活用のメリット
- まとめ
1.外部人材(副業・兼業・フリーランス)とは
「外部人材」は広い概念で、「副業・兼業人材」「プロ人材」「フリーランス」といった言葉で表現されることもあります。私たち、フリーランス協会では、「特定の企業や団体、組織に専従しない独立した形態で、自身の専門知識やスキルを提供して対価を得る人」と定義しています。
外部人材で対応できる事業領域は、多岐にわたります。
これまでは「社員」として人材を採用する選択肢を取っていた領域も、今は、外部人材を活用して、その機能を補っている企業も増えているのです。活用の仕方としては、自社の社員にその業務領域のナレッジを教えて育てて欲しい、という活用方法も含まれており、そこはこれまでの「コンサルタント」活用や「外注」とは異なる点だと言えます。
2.外部人材活用のメリットは?
外部人材活用のメリットはさまざまです。業務委託契約は雇用契約と比べて人件費もミスマッチリスクも少なくて済むので、一つでも気になるメリットがあれば、まずは一度、小さな案件からでも、活用されることをお勧めします。
ただし、「労働基準法を気にしなくて良い融通の効く安価な労働力」という感覚で外部人材を活用してしまうと、トラブルが生じがちなので、雇用契約と業務委託契約の違いは、しっかり理解しておく必要があります。
※フリーランス協会 副業兼業人材活用ガイダンス2021より
外部人材が報酬として求めていることは、金銭だけではないということも、特筆すべき点です。外部人材は、1種もしくは複数の報酬の組み合わせで、自分なりの対価を得ています。福岡などの地方都市では、東京人材を確保するには金銭的に難しい、というお声も良く耳にしますが、実は、金銭だけを気にする必要はないということです。
外部人材が何を求めているのかを見極め、企業理念やビジョンを、熱意を持って伝えること、外部人材が自身の成長の実感や、やりがい、手応え等を感じられる業務を用意することで、人材獲得における報酬額競争は、回避できることにもなります。
外部人材、企業側、双方で何を求めているのかを率直に意見交換してから業務の依頼をしていくことが大切です。もし、金銭的報酬も大切な要素となり、そこでの落としどころを見出したい場合には、ものづくり補助金や県外からの移動交通費を補助する、副業・兼業人材活用促進補助金、などの利用を検討されることも選択肢として持っておかれるとよいでしょう。
※フリーランス協会 副業兼業人材活用ガイダンス2021より
3.外部人材との出会い方
ここまでの話を通じて、外部人材の活用に関する必要性やメリットは感じていただけても、なかなか最初の一歩は踏み出しづらい というお声もあるかもしれません 。
その理由は、おそらく以下のようなことではないでしょうか 。
① 外部人材の「価格」が分からない
② 「業務内容」と「GOAL(達成してくれること)」の具体的イメージがわかない
③ 業務委託という「契約形態」での留意事項が分からない
④ 優秀な(自社が必要とする)人材との「出会い方」が分からない
⑤ どんな「リスク」があるのか全般的に不安
②は、特にこれまでに「コンサル」や「外注業者」を使って、あまりうまくいかなかったという経験をお持ちの企業からのお声が特に多いように感じます。ここについては、外部人材は「インサイダー(内部の人)」の意識を持ち、必要に応じてその企業の名刺を持って、業者調整や外部交渉を行う人間であるという点は当事者として補足してお伝えしておきたいと思います。
他、全般について、実際に活動している人と出会って知る事/事例を多く知る事、が解決策になると感じています。そんな時に頼ってみていただきたいのが、仲介業者の存在です。
現在、副業・兼業人材と企業をマッチングする事業者は、多く存在しています。
ノウハウが蓄積されている、事業者へコンタクトを取ってみると、事例紹介も含めて、上記①~⑤の疑問に丁寧に答えてもらえます。どの企業様も相談時点で 料金が発生することはありません ので、まずはぜひ一度、コンタクトを取られてみて下さい。
もし、いきなり事業者へコンタクトを取ることに抵抗がある場合や、どの事業者が自社の課題に最適なのか分からない場合には、フリーランス協会が、求人ステーションという無料の相談窓口を開設しています。上記①~⑤のようなお問い合わせや、マッチング事業者各社の特徴や違いについて 、非営利の当事者コミュニティならでは の知見でお答えするほか、フリーランス協会の 審査をクリア した 認定事業者16社19サービスへ 一括求人 をかける ことも可能です。
最後に・・・
ここまで副業・兼業の活用について、基本的な内容をお伝えしてきました。
外部人材の活用に関する市場は、まさに今が黎明期。いち早く取り組んで、自社の発展にお役立て下さい!
- 外部人材活用を検討するなら今がチャンス
外部人材は増える一方、活用する企業側は少なく良い人材との出会い可能性◎ - 「採用」に拘らなくても、外部人材活用で「経営課題」解決出来る領域は広い
人事・広報・営業など「社員採用」が普通だった領域も、その道の「プロ」が存在 - 外部人材活用にはメリットが多い
業務委託契約は雇用契約と比べて人件費もミスマッチリスクも少なくて済む。その上、必要な技術・ノウハウ蓄積、時間とお金の節約、社員の負担減や社員育成効果も。 - 外部人材が求める報酬は「お金だけ」ではない
経験報酬・心理報酬なども。企業・人材双方が求めることをしっかり話し合おう。 - 外部人材活用の不安にこたえ、出会いを支えるサービス事業者は多数存在
同じ課題で悩む企業の事例を確認し、 メリットや留意点をリアルに知ることも可能。
外部人材活用にあたっての契約内容相談などもFECCへ
FECCでは、人事・経営者の方の労務や法務に関する疑問の解決をお手伝いしています。外部人材活用にあたっての業務委託契約書のチェックや、法的な留意点などついても、弁護士や社労士に無料で相談することが可能です。お気軽にご相談ください!