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株式会社ReBoost 代表取締役の河合です。
スタートアップが成長する上で、資金調達は事業の成長を加速させる大切なガソリンだと言えます。創業したてのフェーズから始まり、事業創りの勝ち筋が見え始め、更にスケールする時期、そして、上場後は株式市場からの資金調達と幅広いタイミングで行われます。
今回は、未上場時に行う資金調達のタイミングにおける、採用活動の関連性について、知っておくポイントをお伝えできればと思います。
資金調達には、大別すると、「エクイティファイナンス(株式を発行して調達)」と「デットファイナンス(社債発行や銀行などからの借り入れ)」があります。詳細はここでは触れませんが、事業活動に必要な資金を獲得することで成長をしていきます。
スタートアップに限らずではありますが、特に資金調達の目的は、当然に「自社の事業成長」、もしくは「いったんのブリッジ」とされるケースが多くあります。
その為に、「人員増強」、「マーケティング/営業活動」、「システム開発」などに投下されます。
その実現には、より強い組織創りが必要なのはこの連載の中でもお伝えしてきていますが、今回はそうした、資金調達のリリース時に取っておくと良い取り組みや、ポイントについてお伝えができればと思います。
資金調達リリースと採用リリースのリンク
事業計画を立て、今後の成長性を示し、多くの株主を回っての資金調達や、銀行から融資を通じて資金調達を完了させると、多くの起業家や経営者は一安心するものです。フェーズや調達額、交渉相手(国内外含む)を考えると、その期間は短くても半年、場合によっては半年以上かけることも珍しくありません。
こうした資金調達を完了を知らせるとともに、事業成長への期待も含めプレスリリースへと繋がります。
この時に必ず行うべきことが事前準備も含め、いくつかあります。主には下記の3つです。
- 着金のスケジュールが見えたタイミングで、採用計画のスケジュールを再度見直す
- 「ポジション」「優先順位」「内定承諾のタイミング」「入社のタイミング」「採用費」「人件費」、そして「採用チャネル」「自社ブランディング」を中心に丁寧に見直す
- 採用活動をドライブするために、事前準備を全て行い、資金調達のプレスリリースとリンクをする
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1.着金のスケジュールが見えたタイミングで、採用計画のスケジュールを再度見直す
資金調達を始めた時期と、実際に着金までは先に書いたように、「3か月~6か月」を要します。となると、その間も事業が成長しているため、本当に楚の採用計画が正しいのか。を見直す必要があります。「2」の観点から再度見直さないと、着金してから採用計画を立て直すというのは事業上で、大切な時間を使ってしまうこともあり、見据えたタイミングで、経営会議や、場合によっては合宿などをして、再度、見直すことが大切です。
2.「ポジション」「優先順位」「内定承諾のタイミング」「入社のタイミング」「採用費」「人件費」、そして「採用チャネル」「自社ブランディング」を中心に丁寧に見直す
まさに、「1」で触れたように、「新規のポジションが必要ではないか」や、そもそもの優先順位、入社のタイミングから逆算した採用活動の設計、そして、何より、「採用費用と人件費をしっかりと計画していく」ことが大切です。
良くある事例として、「人件費は見越していたが、採用費用を見越しておらず、結果的にバーンレートの悪化に繋がる」です。特にフェーズが進むほど、様々なステイクホルダーから、採用進捗についてプレッシャーのあまり、費用を多分にかけてしまうケースも見受けられます。人件費にはしっかりとした計画があったとしても、「採用の費用」についても、しっかりと準備をしておくべきです。
また、このタイミングでは、「採用のチャネル」をしっかり見越し、新たに加えるものも、吟味しておくべきです。新しい媒体、人材紹介会社、リファラルの強化など、経営側がしっかりと採用の計画を見直したうえで、準備をしておきましょう。また、会社のフェーズが変われば当然に採用の競合も変わります。
「採用ブランディング」に関しての詳細説明はここではいったん省きますが、「どこが競合となり、どういう採用のメッセージングをしておくか」も準備が必要です。
3.採用活動をドライブするために、事前準備を全て行い、資金調達のプレスリリースとリンクをする
そうして、資金調達のプレスリリースと同時に、「採用資料の公開」「採用チャネルの下準備をしておき、一気にリリースをする」「採用イベントの下準備をしておき、イベント日を公開する」などが同時に求められます。資金調達のプレスリリースと同時にこれらを仕込んでおくことで、注目度を活用することができます。
視聴率が一番高まるタイミングで、こうした採用活動にドライブがかかるよう、同時並行が多く大変ですが、より次のフェーズに向かっていくためにも、ぜひお取り組みをお勧めします。
- 資金調達のプレスリリース時は採用活動をドライブさせるチャンス
- プレスリリースのタイミングに合わせ、採用計画やチャネル・ブランディングの見直しも含め、事前準備をしっかり行う